森林インストラクター資格取得支援講座(8)【6月25日(日)曇り、奥多摩町 鳩ノ巣フィールド】

「林業」実習

2023年6月28日新規掲載


開会式:参加者の自己紹介と実習で知りたいこと
開会式:参加者の自己紹介と実習で知りたいこと

 資格取得支援講座「林業」実習を奥多摩町の鳩ノ巣フィールドで実施しました。

 開会式では参加者の自己紹介と今回の実習で知りたいこと確認したいことを披露した後、講師の関さんから「鳩ノ巣フィールド」の紹介と今日の実習の目的は『イメージを持つこと』の説明がありました。

 フィールド入口のワサビ田で特用林産物について、草が押しつぶされている草原で鹿の食害と鹿柵の設置について解説を聞きました。

 スギ・ヒノキの人工林で、間伐したスギを見ながら「優勢間伐」を実施していることや、一本毎に枝打ち等を記録管理する毎木管理について、間伐材の利用方法等について説明を聴きました。

 苔むした切り株に生えているスギ、ヒノキの幼木を見ながら「切り株更新」と「萌芽更新」の違いを確認。急斜面のフィールドを歩きながら、伐採した材の運び出し方法についての説明を聞き、日本の林業の現状について認識を深めました。

 

昼休みの座学:参加者の知りたいことを易しく説明
昼休みの座学:参加者の知りたいことを易しく説明

  昼休みに、参加者が実習で知りたいこと確認したいことについて講師から一件ずつ解説を頂きました。

 漠然と森を見るのではなく疑問を持って森を観る、林業作業の安全のポイント、林野庁の役割りについて等々、わかりやすく説明して頂きました。

 丸太の断面を見て、樹木の特徴である形成層がどこなのか確認しました。テキストの図解を思い出しながら実物を確認しました。

 

樹木の形成層を確認
樹木の形成層を確認

集合写真:参加者と講師、事務局の皆さん
集合写真:参加者と講師、事務局の皆さん

 午後は、昔の青梅街道、茶屋跡を通ってスギの人工林に移動しました。薬師沢の渡りで、沢を跨いでいる倒木をみながら『倒木を通ってリスが沢を超えて移動して、リスの新しい血のカップルが出来る』など楽しい説明を聞き、印象に残る物語的な解説も大事であることを伺いました。

 杉の人工林は業者による間伐が実施されて、昨年に比べて明るい森になっていました。林床の植生はまだ乏しい状態ですが来年は下層植生が増えるでしょう。

 間伐の切り株を見ながら伐倒の方法やツルについて、4mの釣竿を使って森の木の数を簡単に算出する方法、炭焼き窯跡の所では現場で炭にして軽くしてから燃料として運び出したこと、スギを皆伐した後何も植えずに放置した天然生林の所では落葉樹や常緑樹の樹種の多さなど、現物を見ながら色々な説明を聞きました。

 

花の里広場に戻って閉会式を行い、参加者から林業の課題が実感できた、間伐について理解が深まった、林業は重労働だと実感したなどの感想があり、講師の関さんから“合格することはスタート”と激励の言葉を頂きました。

 

参加者:天野さん、伊與田さん、木村さん、瀬川さん、中村さん、増岡さん、松井さん  

講 師:関 美知夫さん  

スタッフ:芝原 久〔事務局・写真〕、槙田幹夫〔写真・HP〕

報 告:槙田幹夫


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