森林インストラクター資格試験後の基礎研修として「森林作業」を北高尾のある聖パウロ学園高等学校の学校林(パウロの森)で、聖パウロ学園とパウロの森くらぶの協力を頂いて実施しました。
午前中の前半は、森づくり作業の全般と間伐作業方法について資料と模型を使った座学です。植林、下刈り除伐間伐、主伐、造材運搬までの50年~100年にわたる森づくり作業について説明を聞きました。
その後伐倒作業について、伐倒方向の選定から、受け口切り、追い口切り、伐倒、枝払い、玉切り迄その手順と作業方法の詳細に説明して頂きました。今日の実習で行う伐倒作業は危険が伴うので、作業の安全についてもしっかり学習しました。
午前中の後半は、いよいよ伐倒作業の実習です。伐る樹は胸高周囲117cm高さ約25mの杉で大物です。講師の指導で作業場所の整理、重心移動用のロープ揚げ、チョークでの切断部分の表示、刃渡り40cmの大鋸での受け口切り、最後に追い口を切って見事に伐倒しました。
伐倒後は切り株を見て、受け口と追い口の大きさ、鋸の傾き具合、切断しないで残した”ツル”巾を確認しました。受け口3割、追い口6割、ツル幅が1割とほぼ教科書通りの切り口で、講師から「合格」の評価を頂きました。
その後枝払い作業を行いました。枝の根元で切ることや左手の位置、力枝の切りかたなど細かい指導を受けて実施しました。払った枝は、古い切り株の周りに積み上げました。
昼食後は、伐倒木を長さ2mに切る玉切り作業と、切った材の運搬集積、竹べらを使った皮むき作業を行いました。根元の直径37cm長さ2mの材は重くて人手では運べないので、山道の脇にずらして転がらないように杭止めしました。中間から先の材を広場に運搬して皮むき作業を行いました。伐ったばかりで水分が多く、一本分の皮が奇麗に一枚に剥けました。
最後に使った道具の手入れ方法について説明を聞いて、鋸や剪定ばさみのヤニ取りとさび止めを施しました。
森づくりの作業は経験が必要です。今回の基礎研修をきっかけに経験を積み、一般の人の森づくり作業を指導できるような森林インストラクターになることを期待しますと講師の総括がありました。
講師:森田寛臣さん
参加者:〔会員〕高木さん、西出さん、早川さん、〔一般〕:大泉さん、松本さん、三田さん
スタッフ:芝原〔事務局〕、槙田〔写真、HP〕
報告者: 槙田
写真をクリックすると拡大表示されて解説が表示されます
午前中は座学と伐倒作業の実習です
午後は枝払い、玉切り、運搬集材、皮むきの実習です